女性側がウェブカメラで


見た範囲のライブチャットサービス提供サイトは、どこも同じようなものだった。

料金は3150円、30ポイントで30分で、新規会員登録するともう30ポイントがサービスされるというプランはどこも共通で、22時ごろだとトップページに30人くらいの女性が待機しているというのも共通だった。

出会い系とアダルト系に大別できるようなので、まずはウェブカメラなどをオフにした状態でアダルト系というのを眺めてみた。

その状態でアクセスするのを、のぞき、と呼ぶらしい。

顔写真と名前が並んでいるのは出会い系と同じだが、こちらはどうやら男性側がチャットで参加して顔や声はオフにして、女性側がウェブカメラで姿を見せてチャットに対して声で答えるというスタイルのようだった。

無料視聴という録画が幾つかあったのでそれを見てみたが、想像した通りの内容だった。

男性がチャットで服を脱げだとか言ってそれに女性が応えるだとか、とりあえずはそちら方面には用事はないので眺めるだけで、出会い系のほうに新規会員登録してポイントをチャージした。

マキはお喋りはあまり得意ではないのだが、話題に困らないように雑誌を何冊か用意した。

最初にログインしたのは平日の昼間で、登録したサイトではその時間に待機している女性は10人ほどだった。

苦しいのは苦手ですか

待機して1分ほどでアクセスがあった。

マキと同じ30歳で、メガネで知的に見える男性で、随分と二枚目だった。

「こんばんは、ケイスケと言います。よろしくお願いします」

声のトーンが低く、こちらも知的な印象だった。

「こんばんは、マキです。こちらこそよろしくお願いします」

ケイスケと名乗った男性が丁寧だったのでマキも同じ調子で返すが、これではまるでお見合いのようだ、と思った。

「なんていう堅苦しいのは苦手ですか?」

そう続けられたのでビックリした。

「いえ、あの、どっちでもいいですけど? というか、私、ライブチャットは初心者なんで、あんまりよく解ってないんです」

「僕も似たようなものですよ。これで三日目くらいですから」

三日目ならマキと同じくらいだろうが、ケイスケという男性は随分と慣れているように見えた。

「そうなんですか。私もそれくらいです。何人かとお話したんですけど、私、お喋りが得意じゃないんで、何だかギクシャクしてません?」

「そんなことないですよ? まあ、ちょっと硬いかな、くらいです。こっちはどう見えます?」

「とっても自然に見えます……」

と、いきなりマキ側の話題が尽きた。

ウェブカメラの前でどうしたものかときょろきょろしていると、ケイスケ側から話題が出てきた。

「マキさん、でしたよね。良かったらお仕事なんか聞かせてもらえませんんか?」

主婦です、と応えると、意外だ、と返された。

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